剱岳北方稜線(富山) 濁谷山(1237.9m)、大平山(1090m) 2019年5月18日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:44 駐車箇所(標高820m)−−4:58 林道終点−−5:30 1050m鞍部−−6:04 濁谷山 6:07−−6:32 1050m鞍部−−7:12 大平山(休憩) 7:32−−8:08 1050m鞍部−−8:25 林道終点−−8:35 駐車箇所(標高820m)

場所富山県魚津市/中新川郡上市町
年月日2019年5月18日 日帰り
天候
山行種類一応、一般登山
交通手段マイカー
駐車場林道路側に駐車余地あり
登山道の有無一応ありだが道は薄い
籔の有無1050m鞍部〜大平山までは笹が被った道が続く
危険個所の有無無し
山頂の展望濁谷山:立山、剱岳方向が開ける  大平山:剱岳方面が僅かに開ける
GPSトラックログ
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コメント虎谷コースを往復。林道は標高760mまではそこそこ良好だが、それ以上は道幅狭く木がはみ出したりとあまり入りたくない状況。実質的に車は820mのカーブまで。林道終点から登山道が伸びるが案内看板ほぼ皆無。植林中は道も薄く要注意。1050m鞍部で濁谷山方面と大平山方面に道が分かれる。濁谷山方面はそこそこ道形はあるが大平山方面は笹に半分埋もれる。初心者では道を外す可能性大。濁谷山の一等三角点は雪の下で見られなかった。大平山の三角点は山頂標識のある場所から西に伸びる踏跡の先にある




424m標高点の案内標識 424m標高点の分岐は左(坪野方面)へ
直進の蓬沢方面は約3km先で通行止め 駐車箇所。車は事実上ここまで
駐車箇所より先は急激に路面状況が悪化 路肩崩壊箇所
真っ平に潰れた造林小屋 林道終点が登山口
登山道 終わりかけのタムシバ
藪椿 杉の古木あり
標高1000mの小鞍部の残雪 雪解け直後なので倒木も数か所
標高1050mの二重山稜谷筋の残雪 二重山稜谷筋の分岐標識。濁谷山へ
標高1060m付近 今シーズン初のショウジョウバカマ
イワウチワ 1060m鞍部東側の標高1070m付近
標高1150m付近から見た大平山 標高1180m付近
標高1210m付近 濁谷山山頂。三角点は雪の下
山頂標識
濁谷山から見た剱岳〜大日岳
濁谷山から見た剱岳北方稜線
濁谷山から見た富山平野方向
山頂付近のタムシバは咲き始め 標高1050m二重山稜谷筋の分岐標識に戻り大平山へ
最初は雪が残る 1050m鞍部付近は泥沼状態
1090m峰の登りにかかると笹の被る登山道へ 標高1070m付近。道は薄い
南側の1080m峰付近 北側の1080m峰付近
1070m鞍部は残雪あり 大平山山頂
正確な山頂標高は1090m 西の踏跡入口
北の踏跡入口 大平山からの展望
大平山から見た剱岳
西の踏跡を下ると小鞍部の向こうに小さな高まり 高まりの上に三角点
三角点の山頂標識。最新標高は1084.9m 南側の1080m峰付近から見た濁谷山
三度目の標高1050m二重山稜谷筋の分岐標識 林道終点
路肩崩壊箇所 駐車箇所に戻る


 鉢山登頂成功の余韻に浸っている間もなく、好天のため翌日も山へ。疲労が残り大きな山は無理なので同じ北陸方面の富山県内の濁谷山を目指した。ここは猫又山から西に派生する大きな尾根上にあり一等三角点の山。地形図に山名記載はないが日本山名事典に記載された山である。ネットでつい最近登った記録を発見し、林道の様子も分かったので林道が崩れないうちに足を伸ばすことにした。

 地形図を見ると林道はあちこちに伸びてどこが一番走行しやすいのか判断が難しいが、ネットの写真から小早月川沿いの林道から入ることにした。実際、これがベストの選択で道幅は細いながら424m標高点まで舗装道路が続く。魚津市坪野方面からの林道はダートで、逢沢方面の道路は舗装だが424m標高点から約3km先で斜面崩壊のため通行止めとのこと。これはグーグルの衛星写真で把握していたことだ。本来はこの林道が道幅が広く最も安全に走行できるルートなのだが、少なくとも2箇所で斜面が崩壊し通行不能のままだ。何年も放置されたままであり、林業等で必要性が出るまでは林道を直すことはしないのだろう。

 424m標高点で案内標識が出ていて、案内どおり左へ急角度で分岐する道(坪野方面)に入る。最初の50m位はコンクリート舗装だがすぐにダートに変わるが普通車でも問題ないレベルで一安心。ただし車は土埃で盛大に汚れる。標高580m地点で右に分岐する林道に入るが、この付近は大規模に伐採されて開けた展望の良い斜面が続く。やがて植林帯に入りジグザグに高度を上げる。ごく一部に荒れた路面があるが全体的には普通車でも問題なく走行できる。しかしそれも760m分岐までで、その先は道幅が狭まり潅木がはみ出し、枝や草で底やボディーを摺りながらとなるが、Uターンできる場所がないので進むしかない。唯一Uターン可能な場所が標高820mの最後のカーブで、この先は急激に道の様子が悪化していて実質的に車はここまでである。このカーブに車を止めて車中泊。この時期は夜もさほど気温は下がらないので標高800mでも快適に寝られる。

 翌朝は日の出後に出発。最初は林道歩きで途中で路肩が崩壊していて、車はここまでしか入れない。さらに進むと見事なまでにぺしゃんこに潰れた造林小屋らしき建物が登場し、その先が林道終点であった。ここが虎谷コースの登山口であるが標識は皆無でリボンが下がっているだけだ。林道入口等にも案内標識は皆無だったので、ここに登るには事前調査が必須だろう。

 道は登山道というより造林作業道のレベルで、特に植林中では道形は薄く油断すると道を外してしまいそうになる。植林中は藪が薄くてどこでも歩ける影響が大きいだろう。ルートにはピンクリボン等の目印が点在するのでそれを参考にするのがいい。初めて歩くコースだし地形図にこの道は出ていないので、地図を見ても登山道がどこを通っているのかは判断できない。

 植林帯を抜けてブナ等の自然林に入ると道がはっきりしてくるし、登山道以外の周囲は藪に覆われるようになるのでルートは分かりやすくなる。刈り払いは完璧とは言えないが、この程度まで整備されていれば文句は無い。標高1000mのくぼ地には僅かに残雪があったが他には雪は皆無。昨日の鉢山では同じ標高なら全面が残雪に覆われていたが、これは妙高火打の裏面が別格の残雪量なのであった。

 標高1050m地点で二重山稜となり、その谷筋に残雪があり標柱状の案内標識が出ていて右は濁谷山、左は大平山、登ってきた方向は虎谷であった。まずは濁谷山を目指す。と言うよりも、昨日の疲労が抜けずに足が重く、少なくとも一等三角点の濁谷山だけは登ろうとの考えだった。見た感じでは主稜線は東側の尾根らしい。

 雪が残る谷から尾根に上がり、以降は尾根を進んでいく。落葉樹が基本だが、中には天然杉も混じり大木も。こんな状況は付近の細蔵山や大熊山に似ている。まだ雪解け直後で横になった木が邪魔する場所や雪の重みで倒れた木もあり、木を踏み越えたり迂回したりして進む。

 標高1150m付近から残雪が見られるようになり、登山道より雪の上の方が楽な場合が多くそちらを主に歩いたが、雪が消えると藪に突っ込んでしまうので夏道がどこにあるのか常に把握しながら進む必要がある。もっと残雪が多ければ夏道は無視して尾根上を適当に進むことが可能なのだが。雪は良く締まってアイゼン不要、踏み抜きもほぼゼロなのでスパッツも不要だ。出発時から気温は+10℃を越えているのでスパッツ不要なのは足の涼しさ確保の意味で大助かりだ。もう防寒具も不要だろうと、今日は長袖シャツとウィンドブレーカ、雨具しか持って来ていない。

 最後に広範囲の残雪斜面を越えると南北に細長く残った雪庇残骸の濁谷山山頂に到着。残念ながら一等三角点は雪の下らしく雪庇西側の藪の中には見当たらなかった。山頂標識も雪の重みで倒れた小さな枝に付いていたものしか見当たらなかった。雪庇残骸のおかげで立ち位置が1〜2m高くなっており、潅木が茂る西側を除いて展望は良好。立山、剱岳方面はまだ低い太陽が逆光気味で詳細は見ることはできないが、まだかなり白さが残っていた。

 1050m二重稜線谷筋まで戻り大平山をプラスするか考えた。この時点では大平山が日本山名事典に記載された山かは不明だった。いや、それ以前に山の名前を思い出せなかったので調べようがなかったのだった。家で事前に調べていれば良かったのだが手抜きを後悔。昨日の疲労による足の重さはあるが時刻はまだ朝の7時なので下山には早すぎることもあり、もし山名事典に記載されていなくてもトレーニングを兼ねて足を向けることにした。なお、大平山は山名事典に記載されており、無駄にならなくて良かった。

 問題は道のレベル。あまりに酷いようなら途中で諦めるつもりだ。最初の谷筋は残雪があったり湿った場所が多く、藪はほとんど無い。湿った場所は泥沼状で踏み外すと登山靴が足首近くまで潜るので、枯れ枝や石の上、湿ったエリア外を迂回したりした。

 1050m鞍部を通過して谷状地形の湿り気が多い場所が終わって登りにかかると地面が硬くなると同時に周囲は笹に覆われる。目印のリボンがあるが道形はかなり薄く、盛大に笹がはみ出している。少なくとも濁谷山方面から2ランク程度落ちると言っていいだろう。廃道に近いレベルだが目印はやたらと多く、濃かった道が徐々に薄くなったわけではなくこの状態が「通常状態」らしい。大熊山や細蔵山と同じレベルの道で、初心者では道を失う可能性がかなり高いだろう。ただし潅木藪は無くほとんどが笹なので掻き分けるのは楽だ。しかし私は笹アレルギーでこれでは蕁麻疹が出る可能性が高く、気温は高いが腕カバーと手袋で皮膚の露出をできるだけ抑える。しかし帽子を被っていてもシャツの首周りから笹のゴミが入り込んでしまうほど。今は笹は乾いているので問題ないが、笹が雨露で濡れていたら上下とも雨具を着用しないと全身びしょ濡れになってしまうだろう。ちなみに下山後は予想通りアレルギーが出てしまい、抗アレルギー薬を飲んで強力な痒み止め軟膏を塗っているが、この記録を書いている最中もあちこちが痒い。アレルギーが出ると治るまで1週間くらいかかるが、抗アレルギー薬は眠気を誘い、体が薬に慣れて眠気が来なくなるまで1週間程度かかる。薬の眠気に慣れた頃にアレルギーが治るという間の悪さだ。

 道は1090m峰を越えるとやや笹が薄くなり歩きやすくなるが、道型はやっぱり薄いままで案内標識も見当たらない。でも相変わらず目印だけは多く、この道は現役であることを示している。ピークを越えると大きなアップダウンは無くなり水平移動で、植生は杉が目立つようになる。杉があると笹が少ないので助かる。

 大平山は1080m峰に達して尾根が平らになってからの横移動が長いが樹林が深いので山頂が見えず、目視では残り距離が把握できない精神的に疲れる。濃い樹林の尾根を黙々と歩き、不意に周囲の藪が薄くなった広場のような場所に到着、そこには杉の幹に大平山の山頂標識が掛かっていた。展望が開けるのは剱岳を中心とした狭い方向で、すっきり見えるのは剱岳から大日岳にかけての稜線のみだ。地形図を見ると三角点は西に下った場所にあり標高は1084.9mで、最高点(正確な山頂)は1090m等高線に囲まれたピーク。よって大平山山頂の高さは1090m以上だが標識の数字は三角点のものだった。

 とりあえず三角点探索へとりかかる。案内標識は出ていないが西方向に明瞭な踏跡が伸びていて、もしかしたら三角点への道かもしれないと下っていくと、雪が残った堀切のような小さな谷地形を横断した向こうに土手のような微小尾根が左右に延びていて、そこを僅かに登ると小さな広場の中央に三角点があった。こちらにも山頂標識ありで、そのうち1つは濁谷山と同じ形式のものだった。

 真の山頂に戻って休憩。さほど時間がかかる山ではないので水も食料も持ってこなかったが、まだ腹が減るほどではないし、早朝なので喉が渇くほど発汗していない。帰りは西斜面の下りなので東の日差しが遮られて涼しいままだろう。

 帰りは往路を戻る。道の薄さに何度か道を外しそうになるが、すぐに外したことに気付く程度の道の濃さはあった。日が徐々に高くなると尾根直上で日差しがある場所は暑いくらいだった。1050m二重稜線谷筋から往路の虎谷方面の西斜面に入れば涼しい地帯へ。往路では薄い道だと感じた道も、大平山の往復後は充分に濃く感じられるのであった。それくらい道の落差があった。林道を歩いて駐車箇所へ。さすがに他に車は入っていない。荒れた林道を下って広い場所まで達すると山菜取りらしい車が登場。今日は土曜日なので林道ではポツポツと車とすれ違った。

 そういえば着替えている時に右足太腿にダニが食いつきかけているのを発見。まだ潜り込む前だったので排除できたが、これからは藪がある箇所はダニに要注意。葉が出てくる時期は藪漕ぎシーズン終了の合図でもある。

 

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